お食い初め膳の料理や器の並べ方、宅配の種類について解説します

Share :

レストランやホテルなどを利用すれば、準備いらずでお食い初め祝いができて便利ですが、なかなか外出が難しく、自宅でのお食い初めお祝いを考えている方もいらっしゃるのでは?

自宅でお祝いする時には、お食い初めの儀式や料理は何をどこまで準備すればいいのか、器の並べ方や器の選択方法が分からないこともあるのではないでしょうか。

ここでは、お食い初めのお膳の献立と並べ方・食器についてや、お食い初め膳の宅配の種類などについて解説しますので、参考になれば幸いです。
また、活伊勢海老専門店の中納言がご提案する、お食い初め膳をはじめとした料理をご紹介します。

お食い初めの膳は本膳料理を起源にした献立

お膳

お食い初めの膳は日本料理の素とも言われる本膳料理(ほんぜんりょうり)」を起源にした「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」がベースになった献立になっています。

一汁三菜は栄養バランスに優れたメニューの1つ

本格的な一汁三菜の献立は「飯、汁物、香の物、なます、煮物、焼き物」の6品の組み合わせからなり、飯・香の物以外の「汁物と主菜・副菜2点」か「汁物と副菜1点と副副菜1点」を一汁三菜と呼んでいます。
一汁三菜の他にも、「二汁五菜」「三汁七菜」などの組み合わせがあります。

一汁三菜はお祝いや儀式で出される料理として確立しましたが、栄養面から見ても健康な身体づくりができる優れた構成になっているのをご存じでしょうか?

飯の炭水化物は活動するためのエネルギー源となり、主菜・副菜はタンパク質の補給やビタミン・ミネラル・食物繊維で身体の調子を整え、汁は水分補給や食事の口直しとしての役割があります。

一汁三菜はお祝いだけでなく日頃から食事にも取り入れていきたいメニューですね。

お食い初めのメニュー

古来の日本ではお食い初めの儀式で重湯に浮かべた餅を使用していたとされていますが、現在では一汁三菜をベースにした「赤飯・吸い物・煮物・焼き魚・香の物」などが一般的で、お祝いにふさわしい縁起物の食材やメニューを多く使います。

  • 赤飯
    魔除け・邪気払いの意味がある赤色の「小豆」「ささげ」が使われます。
  • 吸い物
    吸うということから「母乳を力強く吸えるように」という意味や、食材に使われる蛤などの二枚貝は、貝殻がピッタリ重なっていることから良縁祈願の意味で使われます。
  • 煮物
    「土地に根をはる」という意味の人参・ごぼう、「先を見通せるように」という意味のレンコンをはじめとした根菜類や「成長が早く、まっすぐ伸びる」という意味のタケノコなどを使った「煮しめ」「筑前煮」などは、料理そのものにも「家族みんなが一緒に仲良く過ごせるように」という意味があります。
  • 焼き魚
    焼き魚には赤色の鯛・ホウボウ・金目鯛などが使われ、尾頭付きの魚は「物事を最初から最後までやり通す」という意味とともに、魔除けや縁を結ぶ意味の水引などの飾りをつけることも。
    よくお祝いで見かける鯛には、「長寿祈願」「めでたい」などの意味があります。
  • 香の物
    香の物には「シワシワになるまで長生きする」という意味の梅干しが使われます。
    また、広義で酢の物を香の物と解釈し、幸せが多いという「多幸」でタコや、色の組み合わせそのものが縁起の良い「紅白なます」を使う場合もあります。

お食い初めの儀式には「赤飯・吸い物・焼き魚」の3つのみを使いますが、お祝いの膳にふさわしい一汁三菜で用意してあげるとより豪華になりますね。

お食い初めの儀式・歯固めの儀式の内容と順番

お食い初めには「お食い初めの儀式」「歯固めの儀式」の2つの儀式を一緒にします。

お食い初めの儀式はお食い初めのメニューのうち「赤飯・吸い物・焼き魚」の3品を使い、赤ちゃんが食べ物を食べる真似をします。

食べ物を食べさせる役目の養い親が「飯椀→汁物→飯椀→焼き物→飯椀→汁物」の順番で赤ちゃんの口元に運ぶ仕草を1サイクルとして、これを3サイクル繰り返します。

お食い初めの儀式後にする歯固めの儀式は、儀式用に用意された歯固め石に養い親が箸先で触れ、その箸先を赤ちゃんの歯茎に当てます。
この時に「赤ちゃんが健康に育ちますように」「丈夫な歯が生えてきますように」など、赤ちゃんの幸せを願いながら行います。

儀式そのものは難しくありませんが、順番には注意したいですね。

お食い初めに使う膳は男の子と女の子によって変わる

お食い初めの食器

お食い初めの膳に使う食器は、利便性からさまざまな種類の食器を使う方もいらっしゃいますが、本来は男の子と女の子で色が違うのをご存じでしょうか?

お食い初めの膳に使う食器は「飯椀・汁椀・平椀・つぼ椀・高坪・平皿」の6つがセットになった「漆器」で、男の子は「内外両方が朱色」女の子は「外側が黒色で内側が朱色」のものを使います。

男の子と女の子で色が違う理由は諸説ありますが、お食い初めが始まったとされる平安時代は、黒より赤が高貴な色とされ、魔除けや邪気払いの意味を持つ赤を、世継ぎとして丁重にもてなされた男の赤ちゃんに使ったと言われています。
また、食器を母方の家族が用意するという「しきたり」も受け継がれているようです。

「色の使い分け」や「誰が用意するのか」は、地域差もありますので「漆器でそろえたい」と考えている方は、ご家族に聞いてみてはいかがでしょうか?

お膳の並べ方や料理を盛り付ける器は?用意する小物も解説。

お食い初め重盛り付け例

漆器の飯椀・汁椀・平椀・つぼ椀・高坪・平皿からなる膳には配置する場所や、それぞれの器に何の料理を入れるかが決まっています。
もし、ご自宅で漆器のセットを使われる場合は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

お膳の並べ方や料理を盛り付ける器について

  • お膳の配置
    一般的なお祝いの膳は下記のように配置します。

    飯椀…お膳の左手前
    汁椀…お膳の右手前
    平椀…お膳の左奥
    壺椀…お膳の右奥
    高坏(たかつき)…お膳の真ん中
    平皿…お膳の外
    祝箸…お膳の一番手前・右側に持ち手がくるよう配置

    宗派などの違いで、つぼ椀・高坪・平皿の場所は異なることがありますので注意しましょう。
  • お料理はどの器に盛り付ける?
    それぞれの椀にどの料理を盛り付けるのかについて、下記のようになっています。

    飯椀…赤飯などのご飯もの
    汁椀…吸い物などの汁物
    平椀…煮物などの温かいおかず
    壺椀…紅白なます・タコの酢の物などの和え物
    高坏(たかつき)…梅干しなどの香の物や歯固め石
    平皿…焼き魚

    お膳が「一の膳」「二の膳」に分かれている場合は、二の膳に平皿に入れた鯛などの焼き魚を置きますが、ない場合はお膳の外に置きます。

    古よりお祝いや儀式では左側を優先する「左上右下(さじょううげ)」の伝統があり、お膳では神聖な食べ物とされるご飯を左手前に持ってくるようになっています。
    また、尾頭付きの焼き魚もお皿に盛り付ける時は、頭が左になるようにしましょう。

お膳の一式が揃えられなくても基本の並べ方を知っておくと、ベビー用の食器でもお祝いらしくなりますね。

その他の小物も忘れずに

お食い初めの食器以外にも用意しておいた方が良い小物があります。

  • 祝箸
    赤・白・金を使った水引や「寿」の字が書かれた箸袋に入った、両端が細くなっている箸を見たことはないでしょうか?
    これは「祝箸」と呼ばれ、お祝いやパーティーなど華やかな席で使われる箸です。
    「神人共食(しんじんきょうしょく)」といって、もう一方を神様に使っていただき食事を通じて神様と繋がるという意味があります。

    ご自宅でのお祝いの場合、自宅用の箸を使われる方もいらっしゃるかもしれませんが「割り箸」は折れる可能性から縁起が良くないと言われていますので、避けた方がいいでしょう。

    祝箸は絶対に必要な小物ではありませんが、揃えるとお祝いらしくなりますね。
  • 歯固め石
    歯固め石は「歯固めの儀式」に必要な小物ですから、忘れずに用意しましょう。
    石に形・種類・数などの決まり事はなく「神社でお借りする」「お食い初めセットを購入する」「河原など近場で拾う」など、入手方法もさまざまです。
    地域によってはタコ・栗・アワビを石の代わりに使う場合がありますので、調べてみてはいかがでしょうか?

お膳や小物は揃えられるとベストですが、まずは赤ちゃんをお祝いする気持ちを大切にしたいですね。

宅配のお食い初めにはどんな種類がある?

自宅でお食い初めをする家族

ご自宅でのお食い初めは一から準備するとなかなか手間で、「外出を控えている」「オムツやミルクなど場所を探すのが手間」「他にも幼いお子さんがいてお世話が必要」などの理由から宅配を利用する方も増えています。
宅配の種類も数多くあり、どこまで利用するのかあらかじめ決めておくと慌てずに済みますね。

宅配の種類

  • お食い初めのフルセット
    お食い初めの料理・祝箸・食器・歯固め石がすべてセットになった宅配です。
    「忙しくて全く準備する時間がないけれど、しきたりに沿ってお祝いしたい」という方で、自宅でのお祝いを選ばれる場合にはピッタリでしょう。
  • お食い初め料理の宅配
    「料理する時間がない」「料理の手間を省きたい」という方で、食器を用意できる方やベビー用の食器を使おうと考えている方にはおすすめです。
    また、多くの店舗で歯固め石も一緒になっているので便利ですね。
  • 食器セットのレンタル
    「料理はちゃんと作ってあげたい」という方で「お祝いらしく漆器を揃えたいけど、収納場所がない」「出番が少ない食器を買うのに躊躇する」などの場合にはおすすめです。
  • 鯛のみ宅配
    「料理は準備できるけど、鯛を調理する器具がない」「自宅のグリルに入りきれない」「鮮魚の予約が手間」という方にはおすすめです。

各店舗で予約可能日や配送までの日数が異なりますから「お祝いの当日に間に合わない!」ということがないよう、忘れずに確認しておきましょう。

中納言の伝統と格式の味でお食い初め祝いを

三宮店舗入口

「吟味された食材」と「洗練されたおもてなし」から紡ぎ出される料理の数々が、赤ちゃんに初めて訪れるハレの日を演出します。

老舗の味をご家庭で。中納言の宅配

「中納言の宅配で、心穏やかなお祝いを。」
丹精込めてつくり上げた料理を、ご自宅までお届けいたします。

関西の阪神地区にお住いの皆様にお届けする「お食い初め弁当」は「赤飯・蛸旨煮・海老・ふたみ蛤・たらこ砧巻・紅白かまぼこ・昆布巻き・穴子組紐焼・生麩・黒豆・いくら・南京・小芋・きぬさや・人参」を使った一汁三菜をベースに、天然調味料のみを使用したお弁当です。

オプションの豪華な飾りがついた祝鯛や、作りたての味を閉じ込めた手作りのお吸い物とともに、ご賞味くださいませ。

全国の皆様にお届けする「お食い初め重」は、「赤飯・穴子組紐焼・野菜煮物・いくら・たらこ砧巻き・だし巻き・紅白なます・黒豆・かまぼこ・蛸旨煮・昆布巻」を盛り込んだ二段重や、伊勢海老・鮑でお祝いを色彩豊かにする三段重など、お好みに応じてお選びいただけます。

お食い初め弁当・お食い初め重ともに「歯固め石」をセットにしてお届けいたします。
一品一品丁寧に仕上げた中納言のお料理を、ご自宅でもお楽しみくださいませ。

準備いらずのお祝いを。中納言レストランのお食い初め

中納言レストランの「お食い初め膳」は、お食い初めの儀式に欠かせない「鯛の尾頭付き・すまし汁・赤飯」の3品と、素材の味を引き出した優しい味わいの「煮物」に歯固め石をお付けしたメニューでお迎えいたします。

レストランならではのサービスとともに、さまざまなハレの日をお手伝いしてきた経験豊富なスタッフが儀式の進行をフォローしますので、安心して赤ちゃんの様子を見守っていただけます。

儀式の後には、お祝いにふさわしい伊勢海老をはじめとした滋味深いお料理をお楽しみくださいませ。

中納言のレストランでのお食い初め祝いは、大切な記念の1日になるよう準備をいたしますので、7日前までのご予約をお願いしております。
なお、お食い初め膳以外のメニューは別途ご注文いただいておりますので、ご予約時にお申しつけいただくと、お待ちいただく時間が少なくて済みます。

中納言は一生に一度のお祝いを最上の一日にします。

百日祝いとも言われるお食い初めは一生に一度の生後100日目のお祝いです。
先人たちから受け継がれてきた日本の伝統文化を丁寧にお祝いし、赤ちゃんの人生が幸多きものになるようにしたいですね。

皆様のハレの日を見守り続けてきた中納言は、一生に一度の大切な一日を72年の伝統から培われた「味とおもてなし」でお力添えいたします。