おせち料理にかかせない煮しめ(筑前煮)ですが、忙しい年末に煮しめを作るのは大変ですよね。
この記事では、煮しめの簡単なレシピやおせちに煮しめが入っている意味、材料の種類、作るタイミングを特集しています。 煮しめを作りすぎた場合のアレンジレシピにも触れていますので、お正月のおせち料理に煮しめを作ろうかどうか迷っている方はぜひご参考ください。
おせちに煮しめが入っている理由
おせち料理の煮しめには「家族円満」の願いが込められています。縁起の良いさまざまな山の幸を、ひとつの鍋で一緒に煮込むおせちの煮しめ。その様子が、仲の良い家族を象徴していると考えられています。
煮しめの材料として用いる山の幸に込められた意味をそれぞれ紹介していきますので、ぜひ調理する際の参考にしてみてください。
れんこん
れんこんは、おせち料理の煮しめに使う根野菜のひとつです。れんこんに穴が開いている本来の理由は呼吸するためですが、穴から先を見通せることから縁起が良いといわれています。花れんこんの飾り切りをしておくと、重箱に盛り付けた際に見た目が華やかです。
里芋
おせち料理の煮しめに里芋が使われる意味は、子孫繁栄です。里芋は土の中から収穫する際、子芋や孫芋が親芋の周りに連なるように姿を表すことから、子宝の象徴とされています。サイズが小ぶりの子芋や孫芋を煮しめに利用します。
にんじん
にんじんは名前の最後に「ん」がつくため、運がついて縁起が良いとされています。色が赤いことから、梅の形に飾り切りすることで、煮しめの彩りにも欠かせない食材とされています。
しいたけ
しいたけは、長寿の象徴とされる亀に見た目が似ていることから、おせち料理の煮しめに使われています。戻し汁をだしとして活用することから、干し椎茸が用いられることが多いです。切込みは、包丁で中心に交差するよう3本の線を入れる花切りが人気です。
たけのこ
天に向かってぐんぐんと伸びるたけのこ。おせち料理の煮しめに使う意味は、子供の成長や立身出世、家が栄えるなどの願いが込められているためです。生の筍でアク取りから始めると時間がかかって大変ですから、水煮されたものを使うのがおすすめです。
ごぼう
畑を高畝にするほど地中深く、しっかりと根を張るごぼう。家族や仕事の基盤を安定させる様に見立てる意味から、おせち料理の煮しめに使われています。ごぼうの皮は、むいてもむかなくてもどちらでもOKです。
こんにゃく
こんにゃくは、手綱結びを施してからおせち料理の煮しめに使います。手綱結びの見た目にあやかって、縁結びや夫婦円満の願いが込められています。ほどけない手綱結びをつくるコツは、切込みを長く入れすぎないことです。
絹さや
おせち料理の煮しめを盛り付ける際に、目を惹く彩りとなる絹さや。形が矢羽根に似ているため、的に当てることを幸せになる意味にかけて使われています。絹さやは茹でた後に、矢羽根切りを施すとより見た目が良くなります。
大根
地域によっては、おせち料理の煮しめに大根を入れることもあります。正月に大根を用いるのは、大根の白色に清浄の意味があるとされているからです。赤いにんじんとセットの紅白仕立ては、お祝いの席で重宝されている組み合わせでもあります。
鶏肉
おせちの煮しめを筑前煮のレシピで調理する場合は、野菜のほかに鶏肉を使って油で炒めます。鶏肉が入っている意味は、福岡県の筑前地方で伝統になっているためです。だしは椎茸の戻し汁だけを使うため、鶏肉でだしを取る意味もあるでしょう。
煮しめは30日に作るのがベスト!
おせち料理の煮しめを作るベストタイミングは、12月30日です。煮しめに使う材料は日持ちするものが多いため、年末年始の期間なら常温に置いても3~4日は美味しく食べられます。冷蔵庫での保存なら、1週間ほどは大丈夫でしょう。
和食の煮しめは早めに作っておくことで、だしや調味料が材料に染み込むのでおすすめです。煮しめを元旦ではなく、大晦日に食べる地域であれば、12月29日頃に作るのがベストタイミングといえそうです。
簡単なのに絶品!煮しめレシピを紹介
ここからは、簡単に作れる煮しめのレシピを紹介します。煮しめは最初から最後まで煮て作り、筑前煮は野菜に肉を加えて炒めてから煮る、という違いがあります。おせち料理を作ったことのない方でも、あっという間に完成するのでぜひご参考ください。
煮しめのレシピ
<材料(4人前)>
れんこん 1節(150g)
里芋 中6個(300~400g)
にんじん 1/2本
たけのこ(水煮) 1/2本
ごぼう 1/2本
干ししいたけ 6枚
こんにゃく 1/2枚
きぬさや 8枚
だし汁 300ml
干ししいたけの戻し汁 100ml (A)しょうゆ 大さじ3
(A)砂糖 大さじ2
(A)みりん 大さじ2
※下茹でに使用する酢や塩は分量外
<作り方>
(調理時間 約1時間30分)
①干し椎茸をぬるま湯でもどしておく
戻し汁はだし汁として利用する
②れんこんは厚めの半月切りにする
酢水にさらしておくとアクが取れ、色変わりを防げる
花れんこんにする場合は、節のままで飾り切りしてから輪切りにする
③里芋の皮をむく
小ぶりならそのまま、大きければ横半分に切っておく
塩をひとつまみ入れた水を沸騰させ、下ゆでしておく
竹串が通るくらいに柔らかくなればOK
④にんじんは皮をむき、乱切りにしておく
⑤たけのこは根元と穂先で切り方を変える
根元は半月切り、穂先は縦向きの扇状に切る
⑥こんにゃくは中心に切込みを入れて、手綱結びする
熱湯をかけておくと臭みがとれる
⑦きぬさやは筋を取り、ゆでておく
⑧和風のだし汁、(A)の調味料、干し椎茸の戻し汁を鍋に入れる
⑨絹さや以外の材料を入れて沸騰させる
落し蓋をして30分ほど煮込む
⑩粗熱がとれるまで冷ます
重箱に盛り付けてから絹さやを飾る
筑前煮のレシピ
<材料(4人前)>
野菜は煮しめの材料と同じ
鶏肉200gを加える
干ししいたけの戻し汁 200ml
油 適量
(B)しょうゆ 大さじ4
(B)みりん 大さじ2
(B)砂糖 大さじ1
(B)料理酒 大さじ2
<作り方>
(調理時間 約60分)
①干し椎茸をぬるま湯でもどしておく
戻し汁はだし汁として利用する
②れんこんは1cm幅の半月型に切り、ごぼうは斜め切りにして
ともに酢水にさらしてアク抜きしておく
③タケノコ、こんにゃく、鶏肉はひとくち大に切る
④にんじんは他の野菜より小さめの乱切りにする
⑤里芋と絹さやは、煮しめと同じ工程で下ごしらえしておく
⑥鍋に油を熱し、鶏肉を炒める
⑦鶏肉の色が変わったら、絹さや以外の野菜を入れて炒める
⑧しいたけの戻し汁と(B)を入れ、落し蓋をして弱火で煮る
⑨具材に火が通ったら、煮汁が1/3ぐらいになるまで煮詰める
⑩粗熱がとれるまで冷ます
重箱に盛り付けてから絹さやを飾る
余った煮しめはアレンジレシピに応用
おせち料理の煮しめは、作りすぎて残ってしまってもアレンジレシピが豊富にあるので無駄になりません。煮しめのアレンジレシピは下記の通りです。
- カレー
- 肉じゃが
- グラタン
- 豚汁
- ミートソーススパゲティ
- 炊き込みごはん
お好みの材料をプラスしたり、レシピに合わせて煮しめを細かくカットしたりして活用しましょう。お弁当のおかずに使っても便利です。ただし、冷凍保存をすると根菜の食感や味が変わってしまうため要注意です。
素材の美味しさを引き出した煮しめ入りの中納言のおせち
おせちの煮しめは、新しい春を祝う花形料理です。しかし、年末は仕事や育児で忙しく、手作りおせちを準備するのは難しいという方も多いでしょう。お料理自体が苦手で、できれば誰かのおいしい手作りを食べて、お正月に癒しを感じたい方もいるはずです。
そんな方には、活・伊勢海老料理「中納言」のおせちがおすすめです。経験豊富な職人が素材の旨味を最大限に引き出した煮しめ入りのおせちを、ぜひご賞味ください。
「生おせち 鳳凰(ほうおう)」3~4人前
「生おせち 鳳凰(ほうおう)」は、京都の伝統野菜で仕上げた煮しめが楽しめる三段重です。京都の雅があふれる煮しめの盛り付けとお味をぜひご堪能ください。豪華な伊勢海老祝盛や伊勢海老和み焼も、新年の門出のお祝い膳にぴったりです。
数の子、黒豆、田作りと祝い肴の基本3品もそろっています。伊勢海老のチリソースや神戸牛ローストビーフなど、洋風と中華風のお品をバランス良くお重に散りばめました。幅広い世代で味わえる高級おせちをぜひお召し上がりください。
「生おせち 豊楽(ほうらく)」2人前
「生おせち 豊楽(ほうらく)」も、工夫を凝らした京野菜の煮しめを堪能できる一段重となっています。品数を厳選した高級おせちで、新婚さんやゆっくりとお正月を過ごしたいご夫婦に最適です。
鮮やかな赤紅色で美味な伊勢海老和み焼を筆頭に、高砂産蛸柔らか煮、丹波栗きんとん、帆立浜焼、地鶏くわ焼など、柔らかくて食べやすいお品ばかりを詰めています。遠く離れたご両親へのギフトとしてもおすすめの商品です。
※すべての生おせちは、食材の仕入れにより内容が変更になる場合があります。
おせちに欠かせない料理「煮しめ」
家族円満の願いが込められた煮しめ(筑前煮)は、お正月に欠かせない定番のおせち料理です。本記事の煮しめレシピを参考に、ぜひ家族で手作りの煮しめをお楽しみください。こだわりの器やカップに盛り付けても素敵ですし、ワンプレートおせちに入れるのもおすすめです。
年末は忙しくキッチンで調理する時間を捻出できない方は、「中納言」の公式サイトでおせちのご予約をおすすめいたします。美味しいお酒とともに、京都の豊かな恵みで仕上げた煮しめをぜひ味わってみてくださいね。